豚汁にはお得がいっぱい!
ちび龍連れてって大丈夫なのか?って心配する松本に、分かんねぇからここに入れとけよって、つまんだちびを松本の首んとこに突っ込んだ。
「………ここかよ」「ちび、おとなしくしとけよ」「くるっ」
ちっこい手で襟んとこを持って頭だけにょきっと出してくるっくる言ってるちびと、ひたすら困惑しまくっている松本が何ともミスマッチでウケる。
そして俺たち3人と2匹は寮の食堂に向かった。
それぞれトレイを持ってちょうど空いた隅の窓際に座った。
途中何人かのヤツらに珍しい組み合わせだなって驚かれた。
「ねっ…ねぇ、しょーちゃん。このちびりゅーちゃんは本当にしょーちゃんと僕とりゅーちゃんの………あっ…あああああ愛のけっ…けけけけけ結晶なの?」
聞いてて恥ずかしくなったのか、雅紀がきゃあって顔を隠してる。
ああもう雅紀。雅紀がかわいい。鬼かわいい。
今すぐ抱き締めてむちゅっとしたい。
したいけどさすがに食堂じゃなーってことで我慢した。
後で思いっきりしてやる。
「つかさ、何で櫻井がんなこと知ってんだよ」
その顔気持ちわりーよって、多分ニヤけながら雅紀を見てる俺に松本がぶつぶつ言いながら、いただきますって朝のAセットを食べ始めた。
その首のところからはちびが覗いている。興味津々って感じでキョロキョロしてる。
「松本んちに泊まった時に変な夢を見たんだよ」「夢?」「雅紀が俺に、僕が産んだよっつってタマゴを見せてくれる夢」「ぼっ…ぼぼぼぼぼ僕たたたたたタマゴなんかううううう産めないしううううう産んだことなななななないよっ………」「いや、だから………夢だろ?」
あわあわおどおどする雅紀に、パンをかじりながら冷静に突っ込む松本。
俺は雅紀にほら食えよって言いつつ、自分のBセットに取り掛かった。
最近え っちしまくりのせいか腹が減って腹が減ってしょーがねぇんだよな。
がっつり和食のBセットのご飯は当たり前だけど大盛りだ。
「夢だけど、夢じゃねぇと思う。どうやって産まれたのかは知らねぇけどな。ちびは間違いなく俺と雅紀と龍の子どもだ。な?龍。な?ちび」「ん?」「くるー」「ほら、龍もちびもそう言ってる」
大盛り白飯をかき込んで、豚汁をずずずっとして、え っちの後の飯は最高だなって雅紀に言う。
やだ?しょーちゃん?って照れ照れしつつ、美味しいねって雅紀はハッシュポテトを食べながら頷いた。
それを冷ややかに見てる松本が邪魔で邪魔でしょーがねぇ。
「仮にそうだとして、その愛の結晶ってやつが何で俺んとこに来たんだよ」「それはちびが自分で選んだんじゃね?」「………え?」「龍が自分で雅紀を選んだように、ちびも自分で松本を選んだ。松本に棲むことを。そうじゃねぇの?知らねぇけどさ」「………」
松本は固まった。
固まって。
左手でそっと首んとこのちびを包んだ。
片手にすっぽりとおさまるちっこいちっこい龍。
何でか産まれた、俺と雅紀と龍の愛の結晶。
松本になら、大事にしてもらえるぞ、きっと。
手の隙間からにょきって出てきたちびに俺は、声には出さずそう言った。
「あ、松本」
ここで俺にふとイタズラ心がうまれた。
これはちゃんと教えておいてやらねぇとなって。
「そんだけのニヤけ顔ってことはどうせろくなことじゃねぇだろ」
ちっ。もうバレてる。
けどだから何だっ。メゲるな俺っ。
「お前にも多分どっかにアザが出るんじゃね?」「アザ?」「ちびと繋がるってかちびが棲むってかそのためのアザがさ」「………ああ。どうなんだろうな。父さんに聞いたら何か分かるかもって、そういえばびっくりしすぎて父さんに言ってねぇな」「そのアザ、気をつけろよ?」
俺が松本に何を教えようとしてるかに気づいた雅紀が、俺の隣でしょしょしょしょしょしょーちゃん??って焦ってる。
それを見て何?って訝しげな松本。
「アザ、気をつけろよ?」「気をつける?」「そこにキスされると、それだけでイ っちゃうからな」「は?どこに行くんだよ」「ここにイ くんだよ」「しょっ………」
雅紀のTシャツの襟んとこを引っ張って肩のアザを出して、俺は素早くそこにキスをした。
その瞬間。
バリバリバリバリバリバリッ………
ざあああああああああっ………
さすがに龍も雅紀もびっくりしたらしく、轟く雷鳴。降り注ぐ雨。
と。
悩ましげな甘い悲鳴。
びくびくっと震える身体。
そして。
「お前も多分こうなるから」「………誰か嘘だと言ってくれ」
項垂れる松本。
ま、しょーがない。しょーがない。
しょーがないことをうだうだ考えたってしょーがないっ。
「………もうっ?しょーちゃんのばかあ?」「はい。しょーちゃんはおばかさんです」「………そこがすき?」「俺も好きだぜ、雅紀。龍」
今日も平和で幸せだ。
いきなりの雷雨に騒然としてる隙に、俺は隣の雅紀にむちゅっとキスをした。
「………俺もう二度とお前らと飯食わねぇ」
るせっ。俺だってごめんだね。
俺と雅紀と龍のいちゃを邪魔すんじゃねぇっ。
けど。
「ちびを頼んだぞ。俺らの大事な大事な子どもだ」
言った俺に。
「………うん」
松本はすっげぇすっげぇ真面目に。
頷いた。
豚汁 どこまで行ったら、未来だろう
今朝は
ゆっくり寝た??
まさかの三度寝
バタつきながらも
しっかり朝食ざんす?
海鮮豚汁??
ザイラップ豚汁ですが
ほとんどアレンジ^_^??今日も1日ヘルシー&アグレッシブに??