豪華は売り切れ続出、人気の販売店情報など紹介してます
漆喰乾いてきたょ
どうせカッティングシートを買うなら…
こんな感じ
その豪華に、クリエイティビティはあるか。
それは、ランチタイムのピークも過ぎた頃に起こった
厨房で次々と入る注文を作り続けていた俺は
新規オーダーが途切れた頃を見計らい店内へと出た
俺はいらっしゃいませと挨拶をしながら店内をぐるりと見まわしてみる
すると店内にいる客層がいつもと違う事に気が付いた
(な・・なんだ?今日は浴衣を着たお客さんが多いな・・)
なんて不思議な顔をしながらお客さんの方を見ていたら
和が空いたお皿を持って俺の方へとやってきたんだ
「ね・・ねぇ?どうしたの?」
「ん?何がです?」
「皆、浴衣を着てるね・・」
「あぁ・・どうやら今夜、大きな花火大会があるみたいですよ?
何でも豪華客船も停泊しているとかで
著名人やそのほかにも名を馳せている有名な方も乗船されるんですって」
「あ・・・。あのポスターに書いてあった花火大会って今日だったんだ」
「ポスター?」
「うん。今日仕入れに市場に行った時
いつもの八百屋さんが教えてくれたんだよ
その花火大会に協賛してるから盛り上がってるんだ・・って」
「ふ~ん、そうだったんだ」
カランカラン・・・
「あ、いらっしゃいま・・・?」
そこまで話をすると
不意に店の扉が開いた音が聞こえ
和也は咄嗟に入り口の方を向きながらいらっしゃいませと声をかけた
でも・・
そこに立っていたのは赤い風船を手に持ち
魔女の格好した小さな女の子だったんだ
<あ・・あの・・・>
その女の子はもじもじしながら入口に立っている
その様子を見ていた和也は俺の顔をチラリとみてから
優しい笑顔を携えたままでその女の子の元へと近づいてゆく
そして暫くのあいだ何やら話をした後
その女の子から何かを受け取りそして・・俺の元へと戻って来たんだ
でも戻ってきた時の和也の顏にはさっきまでの笑顔は完全に消えていて
どうしたのかと思いながら
その場で立っていた俺の傍まで音もなくスッと近づいてくると
楽しそうにお客さんと話をしている雅紀に気付かれない様に
俺の腕に小さく触れながら厨房の中へと誘って来たんだ・・
「潤くん・・潤くん・・・」
「ん?どうした・・・」
「ごめん、ちょっとこっちに来て・・・?」
「ん?どうしたんだよ・・いったい」
「あのさ、これ・・」
!!!?
そう言って和也が後ろポケットからそっと取り出したのは
差出人の無い赤い封筒で
俺はそれを見た瞬間
ゾクッと背中に冷たいモノが流れ落ちた・・・
「これ・・って何?さっきの女の子が持ってきたの?」
「うん、でもそれがね
話を聞いてみると”知らない男の人に頼まれた”・・って言うんだよ」
「知らない男の人に・・?頼まれた?」
「うん、このお店にいる人に、この手紙を渡してほしい・・・って言われたんだって
そのお礼に赤い風船を貰ったって言ってた・・・」
「そう・・。中には何が入っているんだろう?」
「手紙・・かな?開けてみる?」
「うん、そうだ・・・な・・」
その時俺は少し戸惑いながらも
和也の手にある手紙を取ろうとそっと自分の手を伸ばしてみる
すると次の瞬間、目の前にあった手紙が
突然横から伸びて来た手にあっさりと奪い去られた
!!!?
「「えっ!?」」
俺と和也はまさか・・・と思いながらもその手の先を追いかける
するとそこには赤い封筒を持った智が立っていたんだ・・・
『ごめん、ちょっと待って・・?おいらが先に見るよ』
「さ・・智?一体いつから其処に?」
『え?んふふっ・・・さっきからずっといたよ?
ずっと陰に隠れていたから気が付かなっただけでしょ?(笑)』
「そ・・そうなの?
声くらいかけてよ・・ビックリするじゃない」
『ごめん・・。でも潤くんずっと忙しそうだったから・・』
「あ・・手紙。なんて書いてあるの?教えて?」
『分かってる・・。ちょっと待ってね・・・』
智は相変わらず穏やかな口調で俺達と会話を続けながら
手の中にある封筒を開け中に入っていた手紙を広げてみせる
するとパッと手紙を開いた次の瞬間、智の顏が変わったんだ
その顔は・・掃除屋チーム”S”の顔だった・・・
。。。。。。。。。。。。。。
掃除屋さんへ・・・
今宵とある場所に爆弾を仕掛けた・・・
歴史に残る大規模な爆破事件となるだろう・・・
タイムリミットは19時59分
さぁショーの始まりだ
。。。。。。。。。。。。。。。。。。
「「・・・・・・・・・」」
『・・・・・・・・・』
俺達はその手紙を読んで絶句する・・
そして俺がこんなのどうせ嘘だろうから放っておこうと言おうとした・・
するとその時
今度は雅紀が血相を変えて厨房の中へと入って来たんだ
バタン!!
「はぁっ!はぁっ!!」
「ど・・どうした?そんなに慌てて・・・?」
「こ・・これ・・・」
「何?」
「これが今店に・・・届いた・・・」
「届いた・・・ッて?」
そう言って雅紀は俺達に向かってあるモノを差し出した
それは緊急ミッションを意味する
赤い封蝋で閉じられていた白い封筒だったんだ・・・
。。。。。。。。。。。。。。
緊急ミッション
出航前に取り付けられた爆弾をすべて解除し
乗客、乗員全員を保護せよ!
ミッションコード”アルテミス
。。。。。。。。。。。。
その手紙を見た次の瞬間
つい今しがたまで俺の隣にいたはずの智が
こつぜんと姿を消していた・・・